COLUMN

しまい洗いのススメ

2023/6/12

そろそろ衣替えのタイミング。とはいえ、暑い日があったかと思えば、急に肌寒い日もあったりと天気も変化も目まぐるしく、なかなか衣替えができない状態なんて人もいるのではないでしょうか。 さらに一気に片付けたいと思っていた週末に限って天候に恵まれず、しまい洗いのタイミングを逃しているなんてことも。

しかし、一度でも着た服はそのまま収納せずに洗濯してから収納するというのが服を長持ちさせるための鉄則。 そこで、梅雨入り前に済ませておきたい“しまい洗い”の上手な方法をお伝えします。

しまい洗いとは?

“しまい洗い”とは、衣替えのときに衣類をタンスやクローゼットなどにしまう前に洗うこと。 食べこぼしや目に見えない皮脂汚れ、汗をしっかり洗濯で取り除くことが目的です。 この一手間でお気に入りの衣類がぐっと長持ちするようになります。

★食べこぼしや皮脂汚れは黄ばみや虫食いの原因に

普段の洗濯では繊維の奥の汚れまで落としきることが難しく、一見きれいに見えても汗や皮脂汚れが残っていることも。 長い間、タンスやクローゼットの中に衣類をしまっていると、衣類の汚れが少しずつ酸化して黄ばみの原因になります。 落とし切れていない皮脂や汗が時間の経過とともに酸化して黄色くなってしまうのです。特に襟や袖口、脇の部分は汚れが蓄積しやすい場所です。

そして気づかぬうちについていた食べこぼしや皮脂というのは虫たちの大好物。汚れがついたまま収納すると、大きな虫食いの原因になってしまいます。 虫食いというと、ウールやカシミアなどの素材に起こるイメージがあるかもしれませんが、汚れがついたままだと、レーヨンなどの化学繊維でも虫食いが起こることも!

★しまい洗いの手順

しまい洗いをする前に「家で洗うもの」と「クリーニングに出すべきもの」を分けましょう!

1.洗濯表示をチェック
まずは洗濯前に洗濯表示マークをチェックして、家庭で洗濯できるものか確認しましょう。 家庭洗濯禁止マークのあるものはクリーニング店へ。衣類用漂白剤を使えるかもポイントになるので、必ずチェックしてください。
【洗濯】
【漂白】
2.黄ばみや皮脂汚れを落とす
黄ばみやシミ、皮脂汚れを落とすには酸素系漂白剤を使用します。すでに黄ばみやシミがある場合には液体タイプよりも洗浄力が強い粉末タイプを使用するのがおすすめ!
40℃〜50℃のお湯に酸素系漂白剤を適量溶かし、衣類を10〜20分ほどつけ置きします。
酸素系漂白剤は50℃程度の温度で洗浄力と漂白力が高まるため、熱めのお湯を使用するのがポイントです。 しかし、素材によっては漂白剤使用不可のものや、高温洗浄で傷んだり縮んだりするものもあるため、洗濯表示の温度もしっかり確認してから行ってくださいね。
また、襟や脇などの皮脂汚れが蓄積しやすい部分はクレンジングオイルでもシミを落とすことができます。クレンジングオイルをもみ込み、40℃くらいのお湯に20分ほど浸けたあと、軽くすすいで洗濯機で洗います。
3.洗濯機で洗濯をする
洗濯機に衣類を入れ、通常通りに洗濯機を回します。普段、すすぎ1回で洗っている人は、しまい洗いの際はすすぎ2回でしっかりと洗うようにしましょう。
4.しっかりと乾かす
衣類に水分が残っていると、カビや臭いが発生しやすくなってしまいます。 また、害虫は湿度を好むので、湿度の低いよく晴れた日にしまい洗いをするか、乾燥機を使用するなどして十分に乾燥させましょう。

おしゃれ着は家で洗うのが怖いからと、クリーニングに出してしまいがちですが、意外と自宅で洗えるものも。 クリーニング店にお任せすれば、手間をかけずにきれいに仕上げてもらえますが、すべてをクリーニングに出すにはコストもかかるので、自宅で洗えるものは自宅で洗ってしまうのも手。

しまい洗いのポイント

しまい洗いをするにあたって気をつけたいポイントが2つあります。“洗濯槽をきれいにする”“お風呂の残り湯を使わない”ということです。

★洗濯槽を綺麗にする

洗濯槽は雑菌やカビが溜まりやすい場所です。 汚れや雑菌が洗濯槽に付着している状態で洗濯をしても、汚れが落としきれなかったり、雑菌臭などの臭いの原因になってしまうことも。 さらに洗濯槽に繁殖したカビが衣類に移ってしまう可能性もあります。

カビや雑菌、汚れを洗浄する液体タイプの洗濯槽クリーナー。防カビ剤配合でステンレス槽にも安心して使用できます。プラスチック槽やドラム式にも使えます。

活性酵素パワーの働きでカビ、雑菌、汚れを洗浄する粉末タイプの洗濯槽クリーナー。酸素系のため、使用後の塩素臭が気になる人にもおすすめです。

★お風呂の残り湯を使わない

節水のためや残りのお湯がもったいないからと、お風呂の残り湯を洗濯に活用する方もいると思いますが、しまい洗いの洗濯に使用するのはNGです。

お風呂の残り湯には入浴中に溶け出た皮脂や汗が含まれているため、せっかく洗った衣類に汚れをつけてしまうことになります。
しまい洗いのときはきれいな水を使って洗うようにしましょうね!

ニットもお家で洗濯OK!

お家で洗濯するのはちょっと心配と思われがちなのがウール素材のものやニット。 しかし、そんなニットも自宅で案外簡単に満足のいく仕上がりに洗えちゃうんです!
自宅でニットを洗う場合、最適なのはやはり手洗い。洗剤は繊維を傷めにくい中性洗剤を使いましょう。

◆用意するもの

・洗濯桶
・中性洗剤
・平干しネットorハンガー2本

1. 洗濯桶に水または30℃以下のぬるま湯を張り、中性洗剤を入れて泡立てるようにかき混ぜる。洗剤量は使用法を目安に少し少なめに。

2. ニットをしっかりと水に沈めてぬらしてから、引き上げる。 そしてまた沈めることを1着につき3分ほどくり返すと、汚れが浮いてきます。同じ洗剤で2〜3着まで洗ってOK。

3. 泡がついたまま洗濯ネットに入れて1分脱水。これで汚れが剥がれ落ちます。ネットに空きがある場合は、余った部分を縛りましょう。 空きをなくすことでニットへのダメージを減らすことができます。

4. 脱水が終わったらネットから出し、きれいな水に沈め、再び押し洗いするような要領ですすぎます。 きれいになってきたら再度、洗濯ネットに入れて1分脱水。

5. 脱水が終わったら型崩れしないように平干しネットなどを使って干します。 平干しネットがない場合はハンガー2本を使って裾と袖を引っ掛けて干しましょう。1か所に重さがかからないようにするのがポイントです。

すでにクリーニングに出してしまった、というかたもいるかもしれませんが。そんなかたはぜひ次のシーズンにお試しあれ。

収納するときもちょっと注意

洗濯も終わり、いよいよ収納! というときにもちょっと注意してもらいたいポイントがあります。衣類を収納するときの注意点は3つ。

★タンスやクローゼットの中を掃除する

しまい洗いをしてきれいになった衣類を埃だらけの場所にしまっては意味がありませんから、中をきれいに掃除しましょう。また、衣類を食べる虫は埃も大好物。 収納場所をしっかりと掃除してから衣類をしまい、押し入れやクローゼットの中も埃がたまらないように普段から掃除しておきましょう。

★防虫剤は上に乗せる

防虫剤の成分は空気より重いので、下に入れては収納ケース全体に行き渡りません。そのため、防虫剤は必ず衣類の上に置きましょう。 また、ケースいっぱいに服を詰め込むのではなく、余裕を持たせて収納すると防虫剤の成分が行き渡りやすくなります。

防虫効果が1年間持続。防カビ剤配合とダニ除け機能を追加することで衣類を安心して保管できます。取り換え時期がわかりやすい表示機能も。

★除湿剤を使用する

害虫は湿気を好むため、湿度が低いところに保管するのがおすすめですが、湿度が高い場所に収納する場合は、カビ予防などのためにも除湿剤を使用するのがおすすめです。

12シート入りの引き出し・衣装ケース用の除湿剤。保存に便利なファスナー付き。ゼリー状になったら取り換えどきです。

衣替えのタイミングでクローゼットの整理を

春から初夏に向かう今の時期は衣替えのタイミングですが、衣替えはときめくクローゼット作りのチャンスでもあります。

クローゼットはパンパンだけど、服を手放すのは苦手というかたは、しまい洗いのタイミングで整理するのがおすすめです。

クローゼットの中にあるものをすべて出して、ときめくものから戻していきます。そうすると入らないもの、ときめきが低いものは手放す決意ができるはず。
悩んだ服や小物は一度コーティネートを考えて、着用してみるのがおすすめです。実際に着てみることで、今の自分に必要か必要でないか判断ができますよ。

普段の洗濯では落とし切れなかった汚れをしまい洗いのタイミングでしっかり落とせば、新しい季節を迎えるときに黄ばみやシミ、虫食いでショックを受けることもなし! 衣替えの前に少しだけ手間をかけて、収納も気にかけることで大切なお洋服を長持ちさせましょう。

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