そのだるさ、梅雨のせいじゃないかも?見逃しがちな鉄不足
2026/6/10
「なんだかずっとスッキリしない…」「しっかり寝てもだるさが抜けない…」そんな不調を感じやすい梅雨の時期。気圧や湿度の影響だと思いがちですが、実はそのだるさ“鉄不足”が関係しているかもしれません。
鉄は全身に酸素を運ぶために欠かせないミネラル。不足すると元気が出ない原因になるだけでなく、肌や髪など美容面のコンディションにも影響を及ぼすことも。特に女性はライフサイクルなどの影響で、鉄分が不足しやすいといわれています。
今回は見逃しがちな鉄不足のサインや原因を解説しながら、毎日の食事やサプリメントなどで無理なく取り入れられる対策をご紹介します。
■目次
その不調、梅雨のせい?
「なんとなくだるい「疲れが抜けない」「やる気が出ない」、そんな不調を感じやすい梅雨の時期。湿度や気圧の変化による“梅雨バテ”と思っている人も多いかもしれません。
確かに梅雨は自律神経が乱れやすく、心身にも不調が出やすい時期です。でもその不調が長引いているなら、“鉄不足”が隠れている可能性も。
鉄は、体中に酸素を運ぶために欠かせない栄養素です。不足すると、エネルギーをうまく作れなくなり、だるさや疲れやすさ、集中力の低下などにつながることがあります。特に女性は月経や食生活などの影響で、気づかないうちに鉄不足になっているケースも少なくありません。
「梅雨だから仕方ない」と片づける前に、一度自分の体のサインをチェックしてみましょう。
自覚のないまま生活の質を下げている“鉄不足”
鉄不足が続くと毎日のパフォーマンスや気分にも影響し、気づかないうちに生活の質を下げてしまうことがあります。なんとなくの不調を放置せず、体からのサインに目を向けることが大切です。
★女性に多い鉄不足
鉄不足は女性にとても多い不調のひとつです。月経によって定期的に鉄が失われるうえ、ダイエットや偏った食生活によって十分な鉄分を摂れていない人も少なくありません。鉄の摂取方法は「日々の食事からバランスよく」が基本ですが、食事から摂取した鉄分は、体に吸収される割合が比較的低いといわれています。
そうなると、忙しさから食事を簡単にすませたり、朝食を抜く習慣がある人は知らないうちに鉄不足が進んでしまうことも。特に20〜40代の女性は、仕事や家事、育児などで毎日慌ただしく、自分の体調の変化を後まわしにしがちな世代です。
「なんとなく不調」が続いているなら、鉄不足が影響している可能性も考えられます。
★変化に気づきにくい理由
鉄不足の症状は少しずつ現れ、「なんだか疲れやすい」「頭が重い」「朝からだるい」「集中力が続かない」など、日々の忙しさやストレスと見分けがつきにくいため、自覚しにくいことも。
そのため、こういった不調は睡眠不足やストレス、季節の変化などのせいだと思ってしまいがちです。特に梅雨時期は気圧や湿度の影響もあるため、ただの梅雨バテだろうと見過ごされることも少なくありません。
鉄の役割
鉄は健康維持に欠かすことのできない必須ミネラルのひとつです。体内ではタンパク質と結合して存在します。
このうち約70%は「機能鉄」と呼ばれ、肺から取り込んだ酸素を全身の組織に運搬するはたらきをしています。一部の鉄は筋肉中に存在し、コンディションの維持に役立っています。残りの約30%は「貯蔵鉄」と呼ばれ、肝臓や骨髄、脾臓などに蓄えられ、機能鉄が不足したときに利用されます。
鉄のもっとも重要な役割は、血液中で酸素を運ぶこと。酸素と結びついた赤血球は、血液の流れに乗って、心臓、脳、筋肉、皮膚、内臓など体のあらゆる組織や細胞へ酸素を届けます。さらに、食事から摂った栄養素をエネルギーに変える過程でも重要な役割を果たしています。
それだけでなく、筋肉のはたらきのサポートや免疫機能の維持、脳の神経伝達物質の合成にも鉄は関わっています。
また、肌のハリや弾力を保つことで知られるコラーゲンの合成にも鉄が必要です。そのため不足すると、元気が損なわれるだけでなく、美容面にも影響してきます。
鉄不足で起こる不調のサイン
鉄の役割でご紹介しましたが、鉄は多くの役割を果たしています。そのため、不足するとさまざまな不調のサインが。
★鉄分不足の可能性をチェック
なんとなく体調がよくない、疲れやすい、気分が落ち込むなどの疲労感を感じている人のなかには年齢や体質だとあきらめている人も多いかも知れません。しかし、それはもしかしたら鉄不足の症状かも。月経がある女性に多い鉄不足ですが、「かくれ鉄不足」の可能性もあるので、以下のセルフチェックで確認してみましょう。
・立ちくらみやクラクラすることがある
・慢性的に肩や頭が重い
・疲れやすい/何となくだるい
・冷えが気になる
・月経前後、月経中に不調になる
・肌荒れしやすくなった/どんよりして見える
・爪が割れやすい/薄い
・髪の毛が抜けやすい
・知らないうちにできた、ぶつけた覚えのない青い跡がある
・集中力が続かない/注意散漫になりがち
・理由もなく気分が塞ぎがち、またはイライラする
・硬いものを噛みたくなる(氷など)
・スムーズに飲み込みにくい/のどの違和感
項目のなかには一見、鉄不足と関係なさそうな変化もありますよね。しかし、これらのセルフチェックが複数当てはまる人は体に蓄えられている鉄分が不足している可能性があります。鉄分不足は一般的な検査や日々の生活では見逃されやすいため、セルフチェックで気づくことが大切です。
★全身への影響
体内の鉄が不足するとヘモグロビンを順調につくることができず、酸素の運搬や二酸化炭素の回収が滞ってしまいます。そうすると、全身の組織が酸欠状態になり、疲れやすい、頭痛や動悸、息切れ、めまい、食欲不振などの不調が出やすくなってしまいます。
★肌への影響
いきいきとした美しさを保つコラーゲンなどの成分にとっても鉄は大切な存在です。不足すると肌の土台に影響し、ちょっとした刺激に敏感になったり、肌のハリやツヤが失われたり、どんよりした印象につながることも。さらに、めぐりが滞ることでターンオーバーのサイクルにも影響するので、肌トラブルが起きやすい状態になってしまいます。
★爪や髪への影響
爪や髪のトラブルも肌と同様です。爪は割れやすくなったり、すこやかな形を保ちにくくなったりすることがあります。
髪はパサついたり、ツヤが失われたり、切れ毛や枝毛が増えるなどの髪質の低下につながることも。体内の栄養は生命維持の優先度が高いところから使われるため、末端である爪や髪への供給は後まわしにされがちなので、影響を受けやすい部分なのです。
なぜ鉄不足になるの?
★毎月のサイクルやライフステージによる影響
月経のある女性は男性以上に鉄欠乏になりやすい傾向があります。月経により、出血とともに鉄分が排出されるためです。婦人科疾患による月経過多の場合は+αで失われます。さらに、妊婦・出産、授乳期は普段以上に鉄分が必要になります。
ほかにも胃や腸、消化管などに炎症があると栄養素の吸収が悪くなったり、出血を起こしたりすることで排泄されてしまうことも。
さらに汗をかくことでも鉄分は失われます。特に動きの激しい運動では発汗に加え、衝撃によっても鉄分が喪失されることもあるので、強度の高いトレーニングを続けている人や、運動習慣がない人が急に激しい運動をすることも注意が必要です。
★食生活による摂取量の不足
偏った食事や無理なダイエット、忙しさによる食事量の減少なども鉄分を含むタンパク質の摂取量不足につながります。
また、成長期の子どもは急激な成長により血液量が増え、大人以上に鉄が必要になります。特に女子の思春期は生理の開始も重なり、鉄分不足に陥りがちなので、積極的なサポートが必要です。
今日からできる鉄不足対策
まず、1日にどれくらいの鉄分を摂ればいいのでしょうか。
厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(厚生労働省策定2025年版)」によると、生理のある成人女性では10.0〜12.5mg(※年代による)。妊娠初期は+2.5mg、妊娠中期・後期は+8.5mg、授乳婦は+2.0mg。成人男性は6.5〜7.5mg(※年代による)が推奨されています。
しかし、実際に摂取している量は推奨量を下回っていることが多いのです。胃酸の影響や、酸が少ないことで吸収ができないパターンもあり、実は食事から吸収しにくいこともあります。さらにダイエットによる食事制限や時間がなくて朝食を抜くなどの食事の偏りも影響するよう。
そのため、日々の食事を基本にバランスよく鉄を摂取すること。胃腸の状態を整えて十分なエネルギーを摂取し、鉄分に加え、タンパク質やビタミンCなどの相性の良い栄養素と組み合わせて摂ることが理想です。
※サプリメントは健康維持のための食品であり、疾病の治療や症状の改善を目的としたものではありません。
★食事の工夫
鉄分には動物性のヘム鉄と植物性の非ヘム鉄の2種類があります。吸収率がより高いのはヘム鉄で、なかでもレバーは効率的に鉄分摂取ができる優秀な食材です。とはいえ、レバーを毎日摂るのは現実的ではありませんから、毎日の食事を基本にヘム鉄と非ヘム鉄の両方をバランスよく組み合わせて、上手に摂取していきましょう。
〈ヘム鉄を多く含む食品〉
豚レバー、鶏レバー、アサリの水煮、シジミ、牛赤身肉、イワシ、カツオ
〈非ヘム鉄を多く含む食品〉
豆乳、高野豆腐、そば、小松菜、納豆、レンズ豆、ひじき、青のり
★サプリメントなどのインナーケア
慢性的に鉄分が不足しがちな女性は、毎日の食事を補う選択肢としてサプリメントを活用するのもおすすめです。ただし、過剰摂取には注意が必要なので、体調や目的に合わせて、パッケージに記載されている用法・用量は守って取り入れましょう。
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梅雨のせいだと思っていたその不調、実は体からの「鉄分を補給して」というサインかもしれません。鉄は元気だけでなく、美しさも支える大切な栄養素のひとつです。「最近なんだか調子が出ない」と思ったら、天気予報だけでなく、自分の鉄分バランスをチェックしてみてください。天気は変えられませんが、毎日の習慣は変えられます。気合いや根性で乗り切ろうとせず、食事やサプリメントも上手に活用しながら、じめじめシーズンも軽やかに乗り切りましょう。
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